ペリー・ローダンあらすじ・第12サイクル「アフィリー」(350〜400巻/700〜799話)


・巻数:350〜400巻(700〜799話)
・期間:3540年〜3583年
・舞台:星のメールストローム/バラインダガル銀河/ダッカル次元風船/故郷銀河系/ド=モルヴォン銀河

 西暦3540年。地球が太陽系から投げ出されてメダイロン星系に落ち着いてから80年が経過していました。この頃地球では『アフィリー』という奇病が発生していました。アフィリーの患者『アフィリカー』は、感情(特に他者への愛)を失い、冷酷かつ凶暴な人間になってしまうため、地球の治安は急速に悪化しつつありました。この病気の原因は、恒星メダイロンから放射される特殊なハイパー放射のため、アフィリカーを治療する方法は事実上有りませんでした。

 細胞活性装置保持者とミュータントはこの放射に免疫が有りましたが、レジナルド・ブルだけは細胞活性装置の故障のためアフィリカーになってしまい、3540年に突如クーデターを起こしてローダン政権を倒してしまいました。ローダンたち非アフィリカーは、巨大宇宙船『《ソル》』で地球から追放され、ブルは地球の独裁支配者となりました。
(350巻/700話)(3460年〜3540年)

 《ソル》はその後35年以上故郷銀河系を求めて放浪し、その間に船内で生まれた人々は、自分たちを「テラナー」ではなく、《ソル》生まれを意味する『ソラナー』と自称していました。3578年、ローダンたちはついに故郷銀河の位置を特定しますが、帰路の途中『バラインダガル銀河』で公会議七種族の一つ『ケロスカー』と衝突しました。さらに《ソル》は高次空間「ダッカルゾーン」内に転送され、特殊領域『ダッカル次元風船』で、公会議の指導者種族『ツグマーコン人』や、公会議の真の黒幕である超高次精神生命体『コルトン人』などと出会いました。

 遥かな過去、強大な権力を誇ったコルトン人はある事故で肉体を喪失し、精神だけの存在と化してしまいました。復活を企むコルトン人は、ツグマーコン人を精神コントロールし、彼らを利用して巨大勢力「公会議」を作り上げていったのでした。ローダンたちはコルトン人の精神を消滅させて勝利した後、ダッカル次元風船から脱出しました。その直後、ダッカル次元風船と通常空間との通路が断たれ、公会議指導部は事実上壊滅しました。

 同じ頃、地球はブル率いるアフィリカーの支配する悪夢世界と化していました。しかしブルは突然正気を取り戻して、反アフィリカー抵抗組織に参加しました。やがて、メダイロン星系は、宇宙の穴「“喉”」に吸い込まれることが確実となりました。ロボット脳ネーサンと謎の存在『人類の救済者』は、謎めいた『成就の計画』に基づいて、人類の地球からの脱出を妨害し、代わりにアフィリーの治療薬を配布しました。人類200億人は感情を取り戻して「救済者」こと超越知性体“それ”に吸収され、無人の地球は“喉”に消えていきました。
(351巻〜375巻/702話〜749話)(3578年7月〜3581年9月)

 3581年。ローダンたちは《ソル》で121年ぶりに故郷銀河系に帰還しました。しかし銀河系は完全にラール人や超重族に支配されていました。アトランは暗黒星雲プロヴコン・ファウスト内の惑星ガイアに小国家『新アインシュタイン帝国(NEI)』を建国していましたが、NEIは戦いを放棄して引きこもっているだけでした。ローダンたちは同盟者となったケロスカーの考えた大戦略『80年計画』で公会議に戦いを挑みますが、やがて銀河系の種族がそもそも公会議からの解放を望んでいないと知り、戦う目的を無くしてしまいました。仕方なく、ローダンたちはメールストロームの地球に帰ることを決め、アトランたちを乗せて銀河系を離れました。(375巻〜383巻/750話〜765話)(3581年9月〜3582年2月)

 数ヵ月後、《ソル》はメールストロームに帰還しますが、メダイロン星系が“喉”に消えた事を知り、ケロスカーの協力を得て、さらに地球の行方を追う旅に出ました。旅の途中《ソル》は『ド=モルヴォン銀河』に立ち寄りますが、ここで超越知性体『テルムの女帝』『バルディオク』の二大勢力の戦争に巻き込まれました。ローダンたちは「テルムの女帝」がメダイロン星系の情報を持っていると知り、女帝の本拠惑星へと向かいました。

 一方、メダイロン星系は“喉”に吸い込まれた後、未知の宙域に転送されていました。アラスカ・シェーデレーアは、数奇な運命によって地球に帰還し、少数の消えなかった人々と共に『テラ・パトロール』という組織を作り、消滅した人々を探しました。直後、地球には周辺宙域を支配する「バルディオク」配下の勢力が次々と襲来したため、テラ・パトロールは地球を離れて近傍惑星へ脱出するしかありませんでした。

 銀河系では、ラール人は細胞活性装置を破壊する『GKD(遺伝子コード破壊)フィールド放射』を銀河系全域に展開し、不死者たちが銀河系で自由に活動できないようにしてしまいました。元カルスアル同盟の三巨頭は全員死亡し、ティフラーはプロヴコン・ファウストから一歩も出られない身となってしまいました。
(383巻〜399巻/766話〜799話)(3582年1月〜3583年8月)


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