ペリー・ローダンあらすじ・第9サイクル「旧ミュータント」(285〜300巻/570〜599話)


・巻数:285〜300巻(570〜599話)
・期間:3444年
・舞台:銀河系

 3444年2月。地球で大執政官の選挙戦が始まりますが、ローダンは自分の力不足を理由に出馬を拒否し、政界引退を表明しました。同じ頃、大群危機で行方不明になっていたロボット宇宙船が突然地球に帰還し、中から未知の惑星『アスポルク』の住人『アスポルコス』が出現しました。アスポルコスは彼らを支配する『苦悶の声』の脅威を訴えたため、ローダンは調査隊を率いてアスポルクに向かいますが、結局成果は無く、空しく帰還するしかありませんでした。しかも、知らない間にミュータントのリバルド・コレッロまでが声に支配されており、コレッロは太平洋に沈んでいた古代レムール人の基地を再起動させ、人工人間8体を製造して逃走しました。

 実は”苦悶の声”の正体は、500年前(2909年)の”第二次遺伝子危機”で死んだ8人のミュータント、『旧ミュータント』の精神集合体でした。彼らは500年前、肉体の死の直前に精神集合体となってハイパー空間へ脱出していましたが、500年経った今、アスポルク産の希少金属『PEW金属』の力で通常宇宙に舞い戻る事に成功し、さらに地球で人工の肉体を得て人間として復活したのです。ところが人工の肉体はやがて腐敗してしまい、衰弱の末にローダン達に保護される事になりました(285〜291巻/570〜582話)(3444.02〜05)。

 旧ミュータントの精神体は、宿る肉体を失えばハイパー空間に引き戻されてしまいます。そのため精神体はPEW金属の『精神を通常空間へ繋ぎとめる』効力を求めてアスポルクへ向かいました。ところが、彼らの目の前で、PEW金属の鉱脈は突然巨大隕石宇宙船と化して宇宙に飛び出してしまいました。

 ローダン達が隕石宇宙船を追跡すると、船は銀河系中枢部の『パラマグ=アルファ星系』へと到着しました。星系の住人『パラマグ』はテラナーを凌駕する技術を所持し、また彼らにとってPEW金属は生存に必須の物質でした。パラマグは太陽系でもPEW金属が産出される事を知り、強奪を目論んで物質転送機で侵攻を開始しますが、テラナーはパラマグの中枢世界『ワーベI』を転送機もろとも破壊し、侵攻を阻止しました。さらにローダン達は旧ミュータント達を救うため、PEW金属を含有する小惑星『ワーベ1000』を確保し、秘密裏に『トロト星団』へと輸送しました。旧ミュータント達はこの星に精神の保存場所『パラ=バンク』を得て、ついに安住の地を確保したのでした。

 全ての問題を解決したローダンは選挙直前になってようやく再出馬を決意し、急いで地球に帰還しました。そして有権者は圧倒的多数でローダンを再任したのでした(292〜300巻/583〜599話)(3444.06〜08)。


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