ペリー・ローダンあらすじ・第７サイクル「カピン」（200〜250巻／400〜499話） |
・巻数：２００〜２５０巻（４００〜４９９話） ・期間：３４３０〜３４３８年 ・舞台：銀河系・過去（２０万年前）・グルエルフィン銀河 時間警察との死闘から約千年が経った３５世紀、太陽系帝国は完全に復興したばかりか以前以上の強大な勢力となっていました。しかしこの千年間には色々な事が起こりました。 ３０世紀初頭には多数の星系が帝国から分離・独立し独自の国家を建国しましたが、その中でも特に有力な三大国家「ダブリファ帝国」「カルスアル同盟」「中央銀河ユニオン（ＺＧＵ）」は母なるテラと冷戦状態に有りました。また２９０９年には、遺伝子の異常によって精神を病んだミュータント部隊員が暴走した「第二次遺伝子危機」により、部隊はメンバー９名を失い壊滅的な打撃を受けました。さらに２９３２年には惑星プロフォスで発生したパニテル人の暴動により、ローダンの妻モリーと娘スーザンも世を去っていました。 ３４３０年１０月、地球で２０万年前に作られた未知文明の基地が発見され、中から深層睡眠状態だったネアンデルタール人「ロード・ツヴィーブス」が救助されました。その直後、テラを滅ぼすため、三大国家の連合艦隊が太陽系に迫りましたが、ローダンは戦いを回避するため、過去５世紀の間準備を進めていた「５００年計画」を実行に移しました。太陽系は核爆弾による偽装爆発と同時に、新開発の時間バリア「ＡＴＧフィールド」で５分間の相対未来へ移動し、現実時間から姿を消しました。銀河系の諸勢力は『太陽系は未知文明の兵器の爆発により、ローダン達もろとも消滅してしまった』と信じ込みました。 ３４３１年１１月、太陽系は商業惑星「オリンプ」との間に物質転送システム「コンテナ街道」を開通させ、密かに貿易を再開しました。オリンプの統治者である自由商人の皇帝「アンソン・アーガイリス」は、実はテラナーが作ったロボット「ヴァリオ＝５００」の変装の一つであり、ローダンと協力して太陽系の秘密を守り続けました。 太陽系が消滅を偽装している間、銀河系では様々な事件が起こりました。超ミュータント「リバルド・コレッロ」の暗躍、反物質宇宙から来た種族「アッカローリー」の出現、等です。 テラナーはコンタクトしたアッカローリーの指摘で、太陽を巡る未知種族の衛星「太陽衛星」が、超新星化を促進する波動を発している事を知りました。衛星への正面攻撃は跳ね返されたため、ローダン達はタイムマシン「ゼロ時間デフォルメーター」で２０万年前に旅立ち、衛星の設置を妨害しようとしました。計画には正気を取り戻しテラナーの味方となったコレッロが協力しました。 ２０万年前の地球では未知種族「カピン」が遺伝子実験を行っていました。ローダン達はカピンの一員でありながら同族の行動を監視している謎の男「オヴァロン」と出会います。一行はタイムパラドックスを回避するため、オヴァロンをつれて現実時間に戻り、最終的に太陽衛星の破壊に成功しました。オヴァロンは封印されていた記憶を回復し、自分がカピンの中心種族「ガンヤス人」の指導者「ガンヨ」だと思い出しました。彼はカピンの分派の一つ「タケル人」の遺伝子実験の真相を探るため、自ら記憶を消して潜入調査を行っていたのです。 この時間旅行の過程で、死んだと思われていたローダンの息子マイケルとの奇跡的な再会が有りました。また、太陽衛星の破壊と時を同じくして、ダブリファ帝国では「寛容革命」が起き、皇帝ダブリファは死に、新国家「銀河連合ノルモン」が誕生し、すぐさま太陽系帝国と友好関係を結びました。 ３４３７年７月、銀河系ではカピンの暗躍が確認されていました。ローダンはカピンの真意を探るため、彼らの故郷「グルエルフィン銀河」に行くことを決意し、新型エンジン「ディメセクスタ・エンジン」を搭載した最新鋭宇宙艦《マルコ・ポーロ》で、オヴァロンと共に旅立ちました。 たどり着いたグルエルフィン銀河では、タケル人の帝国が２０万年に渡る圧政を敷いており、ガンヤス人の事など誰も覚えていませんでした。しかし、”ガンヨ”という言葉だけは、『タケル人の支配から民衆を解放する救世主』という意味と化して語り継がれており、人々はガンヨ降臨を待ち望んでいました。《マルコ・ポーロ》はタケル帝国の目を逃れながら調査を続け、ついに隠れ住んでいたガンヤス人達と出会い、オヴァロンは苦労の末、２０万年前に失踪したガンヨだと証明する事が出来ました。 ”ガンヨ”オヴァロンの元には反タケル勢力が集まり、テラナーがタケル帝国の首都「タケラ」を破壊した事でタケル帝国は崩壊しました。帝国の独裁者「タシュカル」のギンコラシュは身内に暗殺され、タケル人の権力は決定的に失われました。 しかし、タケル人はまだ未知勢力が作った宇宙艦「貯蔵庫」数万隻を自由にコントロール出来たため、テラナーへの復讐のため、銀河系へと侵攻しました。太陽系艦隊は貯蔵庫との戦いで大きな被害を受け、他の銀河種族に応援を求めて戦闘を続けました。 そして、最後の局面で貯蔵庫の秘密が明らかになりました。かつてオヴァロンがガンヤス人のために作ったコンピューター「原母」は、その任務のため自分を強化し、また分身として貯蔵庫を作り続けましたが、いつしか貯蔵庫のコントロールを宿敵のはずのタケル人に奪われていたのです。 最後の瞬間原母は貯蔵庫のコントロールを取り戻すと、全てを合体させて巨大人工惑星となり、さらに自分が不必要なまでに強大な戦力になっていることを理由に、貯蔵庫に乗り組んでいるタケル人１００万人以上を道連れにして自爆しました。その余波で冥王星も破壊されてしまいました。 グルエルフィンに平和が戻ったことを確認したローダン達は、故郷銀河の現状を確認するためいよいよ帰郷する事にしました。３４３８年７月の事でした。 |