ペリー・ローダンあらすじ・第６サイクル「Ｍ−８７」（150〜200巻／300〜399話） |
・巻数：１５０〜２００巻（３００〜３９９話） ・期間：２４３５〜２４３７年 ・舞台：銀河系・大マゼラン星雲・小マゼラン星雲・Ｍ−８７銀河 ２４３５年、銀河系では銀河商人スプリンガーに代わり、テラナーによる一大商人グループ、通称『自由商人』という勢力が台頭してきていました。彼らのリーダー『ロワ・ダントン』こそ、実は家出したローダンの息子『マイケル・レジナルド・ローダン』でした。 ローダンがダントンを息子と知らないまま『モルゲンロート星系』で会見しているところへ、突然超巨大な宇宙艦が出現しました。直径１００キロの半球状の艦体に、テラナーの船とそっくりの戦艦を１７，０００隻以上も搭載する未知の艦は『オールド・マン』と名付けられました。 ローダン達はオールド・マンの製造者を調べたところ、驚くべき事実が解りました。３０年前の島の王たちとの戦い（２４００〜２４０６年）の最中、任務のため紀元前５万年の過去に旅立ち、そのまま行方不明になった人々がいました。彼らが未来の人類の戦いを支援するため、このオールド・マンを製造したのですが、あまりにも長い待機期間の間に機械に狂いが生じ、出現の時期が３０年ずれてしまったのでした。 そこへ、未知勢力の兵器であり、生物を自由に支配する『ヒュプノ・クリスタル』が出現し、オールド・マンを制圧して彼らの道具に変えてしまいました。ローダン達はクリスタルの製造者を追って『大マゼラン星雲』に赴き、『三次制約者』と名乗る種族『パーリアン』を打ち破りました。 しかし、その直後、パーリアンより上位の存在『二次制約者』こと『震動守護者』が出現しました。彼らの姿形は何故かハルト人そっくりで、使用する宇宙船『生体宇宙艦ドラン』にはテラナーは全く歯が立ちません。彼らは『時間警察』とも名乗り、『テラナーは以前に危険な時間実験を行ったので処罰する』と言い放ち、ローダン達の言い分を全く聞こうとはしませんでした。 震動守護者はオールド・マンに乗り込み太陽系へ進撃を始めました。ローダン達は、それを阻止するため、ハルト人イホ・トロトの支援を受けて、戦艦《クレストＩＶ》をオールド・マンに突っ込ませますが、未知の現象により、銀河系から３２００万光年離れた『Ｍ−８７銀河』に放り出されてしまいました。 Ｍ−８７銀河ではハルト人は『けだもの』と呼ばれ、憎悪と畏怖の対象でした。かつて、この銀河では、兵器として開発された人工生命体種族”けだもの”が創造者に対して戦争を起こし、Ｍ−８７の全種族を絶滅寸前まで追い込みましたが、各種族は『中枢部の設計者』という種族を中心に大同団結し、遂に”けだもの”を追い出した、という過去があったのです。ハルト人はどうやら”けだもの”の子孫の様でした。 ローダン達は『ハルト人は平和志向の種族である』と主張しますが全く聞き入れて貰えず、Ｍ−８７の種族とはどうしても話し合いができません。結局、ローダン達は”中枢部の設計者”こと『オフェケノケース』の本拠地に乗り込み、彼らを脅迫して強引に銀河間航行用エンジン『ディメトランス・エンジン』をハルト船に取り付けさせ、《クレストＩＶ》を放棄して銀河系へと帰還しました。 その頃太陽系帝国は時間警察を相手に苦戦を続けていました。この戦いの中で、震動守護者がより上位の種族『第一震動力』に強制的に操られている事が判明しました。またテラナーはなんとかオールド・マンを味方にする事も出来ました。 やがて、『小マゼラン星雲』に他の生物の体を自由に乗っ取る未知の種族が確認されました。彼らこそが時間警察の最高種族”第一震動力”で、テラナーは彼らを『ウレブ』と名付けました。ウレブは、Ｍ−８７から小マゼラン星雲に落ち延びた”けだもの”が生体実験で生みだした種族で、その優れた超能力を生かし、やがて生みの親達を支配してしまっていたのです。しかし、ウレブは強大な力を持ちながら、他種族に対する病的な被害妄想に取り付かれており、『他種族が歴史を改変して自分たちを絶滅させてしまうかもしれない』という恐怖から、時間改変を阻止するための組織”時間警察”を結成し、以後他種族への懲罰攻撃を繰り返しました。そして紀元前5万年頃には、惑星ハルトを前進基地として使用しレムール帝国を壊滅させますが、その際、一部の兵士がレムール人の秘密兵器の影響で残虐性を失い、後のハルト人の先祖となったのでした。 ローダン達は遂にウレブの本拠地『エネミー星系』へ到達しますが、堅い守りに攻めあぐねている間に、逆にドラン艦隊が太陽系を蹂躙、太陽系艦隊は大打撃を受け、さらにオールド・マンも撃沈されてしまいました。 しかも、そこへＭ−８７から”中枢部の設計者”に率いられた大艦隊が出現しました｡彼らは”けだもの”の子孫を絶滅させるため、ローダン達の後を追いかけて銀河系へ乗り込んできたのです｡彼らはまず手始めにエネミー星系を破壊してウレブを滅ぼし、さらにハルト人も絶滅させようとしました。しかし、ローダンははったりをかまして彼らと相互不可侵条約を結び、艦隊をＭ−８７へ追い返しました。 長い戦いで太陽系は荒廃し、艦隊も大打撃を受けました。さらにローダンの息子、マイケルもエネミー星系で戦死しました。しかしローダンは首都テラニアで帝国の復興を誓うのでした。 |