ペリー・ローダンあらすじ・第3サイクル「ポスビ」(50〜75巻/100〜149話)


・巻数:50〜75巻(100〜149話)
・期間:2102〜2114年
・舞台:銀河系(中枢部)・アルコン帝国・銀河系=アンドロメダ星雲間の虚無空間

 22世紀初頭、太陽系帝国は今や銀河の巨大勢力に成長し、アトラン率いるアルコン帝国の良きパートナーとなっていました。

 西暦2102年、テラナーは遂に新型超光速機関『ハイパー=リニア・エンジン』の実用化に成功しました。ローダン達の乗るリニア・エンジンの実験艦《ファンタジー》は、テスト航海中に発生した事故のため、偶然にも『アコン人』の母星系『ブルーの星系』に到達しました。アコン人はアルコン人の先祖でありながら全く退廃しておらず、しかも母星系全部にバリアを張り巡らせるなど、科学技術はアルコン人以上でした。彼らは、唯一バリアを通過可能なリニア・エンジンを実用化したテラナーを敵視し、様々な危険な攻撃を仕掛けてきますが、太陽系帝国はことごとくこれらを打ち破り、最後にはアコンと停戦協定を結ぶことに成功しました(50〜54巻)。


 続いて、太陽系&アルコン両帝国内で不老不死の霊薬を謳う麻薬『リクヴィティフ』による惨禍が表面化しました。犯人は『アンティミュータント』の組織『バアロル教団』で、さらに教団はローダンの息子カーディフをも担ぎ出しました。カーディフは父と瓜二つの容貌を利用してローダンとすり替わり、誰も知らない間に太陽系帝国を乗っ取ってしまいました。さらにカーディフは不老不死を求めて《それ》から細胞活性装置を貰いますが、装置は「ペリー・ローダン」本人用に設定されていため、不適合のためにカーディフの肉体・精神は崩壊を始めてしまいました。狂ったカーディフはテラとアルコンとの全面戦争を引き起こしかけますが、危機が頂点に達したとき、アトランが偽ローダンの正体を看破しました。最終的に、カーディフは死に、教団は力を失い、ローダンは無事に救出されました。そしてローダンはカーディフが身に付けていた細胞活性装置を《それ》から与えられました(54〜58巻)。


 両帝国に平穏が戻った頃、今度は「惑星の住民が呼吸するだけで太ってしまう」という奇妙な事件が発生します。原因は、高いカロリーを持つ胞子を撒き散らす未知の苔『ベーコン苔』でした。『惑星メカニカ』出身のトカゲ種族が作ったロボット船が、既に主人たちは滅びてしまったにも関わらず、未だに食料となる苔を栽培しようと各地の惑星に胞子を散布し続けていたのです。しかも恐るべきことに、アルコン帝国の中心・惑星アルコンIIにも胞子が蔓延してしまい、アルコン帝国崩壊の危機が迫りました。ローダン達は、同じくロボット船の『収穫船』を見つけ出して来てベーコン苔を除去させることで、この事件に決着を付けました(59〜61巻)。


 2105年、惑星アルコンIに、反アトラン派貴族とアコン人が手を結んだ反政府勢力が出現しました。そしてアコン人がロボット摂政のプログラムを改変した結果、「テラナーを頼るアトランは皇帝として不適格である」と判断され、反アトラン派の貴族『カルバ』が新皇帝に即位しました。しかしカルバはすっかりアコン人の傀儡と化し、アルコン帝国は崩壊寸前でした。ローダン達はアコン人のタイムマシンを奪って6000年前に遡り、建造前の摂政に爆弾をしかけ、22世紀に爆発させようとしました。この計画そのものは失敗しますが、摂政の設計者『エペトラン』は未来に起きる事態を知ったため、彼の仕掛けで2106年に摂政は機能を停止しました(61〜63巻)。


 2112年、アルコン帝国は、ロボット摂政が消滅した影響で各地で反乱が頻発し、今やテラナーの援助でかろうじて持ちこたえている状態でした。そんな時、銀河系辺境に、透明種族『ローリン』と、感情を持つロボット生命体『ポスビ』の二大勢力が相次いで出現しました。両者は激しく対立しながら、さらに銀河種族にも攻撃を仕掛けて来たため、ここに三つ巴の争いが始まりました。やがて、謎だったポスビとローリンの関係が明らかになりました。ポスビは、かつてローリンが銀河系侵攻用の兵士として惑星メカニカのトカゲ種族に作らせたロボットでしたが、何故か主人達に反抗し、今やあらゆる有機生命体を「にせものの生命体」と呼んで憎悪していたのです。ポスビは圧倒的戦力で銀河種族を攻撃してきたため、太陽系帝国・アルコン帝国・アコン帝国は大同団結して『銀河同盟』を結成し、この強敵と戦いました。

 やがてテラナーの元にポスビから使者が訪れ、ローダン達を彼らの本拠地惑星『二百の太陽の星』へ誘いました。ポスビの感情を司る『生体プラズマ』は温和な生命体でしたが、プラズマを補助するために作られたポジトロニクスとの接続で不備が生じた結果、ポスビは危険なロボット種族になっていたのです。ローダン達がこの星でプラズマとポジトロニクスの接続を切ると、ポスビは両派に分かれて内戦を始めてしまいました。ローダン達はプラズマ側を援助し、最後の瞬間ポジトロニクス側を打ち破りました。この結果ポスビはテラナーの同盟者となり、協力してローリンを銀河系の外へと追い返す事に成功したのでした(63〜75巻)。


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