ペリー・ローダンあらすじ・第１サイクル「第三勢力」(1〜25巻／1〜49話) |
・巻数：１〜２５巻（１〜４９話） ・期間：１９７１〜１９８４年 ・舞台：太陽系・永遠の生命の星・アルコン帝国 １９７１年６月、アメリカから打ち上げられた月ロケット「《スターダスト》」は、船長「ペリー・ローダン少佐」の指揮の下、人類初の月着陸に成功しました。さらに、ローダン達は月面で異星人の不時着した巨大な宇宙船を発見し、乗員の「アルコン人」との接触を体験する事になりました。 アルコン人は、外見こそ地球人に酷似していましたが、既に数万年の歴史を持ち、銀河系に巨大な「アルコン帝国」を建設していました。しかし、数千年前から種族全体に退廃の兆候が現れ始め、今では種族の大半が無気力状態となり、全てに関心を持たず、帝国は滅ぶに任せる、という状態に陥っていたのです。この船でも、活力を維持しているのは、隊長「クレスト」と美貌の女船長「トーラ」だけでした。 クレスト達は、帝国に伝わる伝説の「永遠の生命の星」を発見し、まだ活力を保っている人々を延命させ、帝国を存続させようとしていましたが、その探検行の途中で事故に会い、立ち往生していたのです。 ローダンは彼らとの出会いで「地球人（テラナー）」という概念に目覚め、同じテラナーが国家という小さな枠同士で争う愚かさを悟りました。そしてアルコン技術を特定国家に独占させないため、《スターダスト》をゴビ砂漠に強行着陸させ、ドーム型バリアを張り巡らし、ここに新国家「第三勢力」の誕生を宣言したのでした。 世界の列強（西・東・アジアの三大ブロック）は、アルコンの超技術を手に入れようとドームに猛攻をかけますが、第三勢力は必死に防戦しました。時が経つにつれ、ローダンの思想に共鳴し協力を申し出る人達も現れる様になってきました。やがて、アルコンに敵対する種族が地球を襲う危険が明らかになったため、遂に三大ブロックは第三勢力と和解し、国家として承認しました。しかし、第三勢力には休む間は有りませんでした。襲来してくるだろう敵に対抗するため、世界中から超能力を持つ人たちを集め、特殊部隊「ミュータント部隊」を結成し、危機に備えました。 そして、恐れていた通り、アルコンに敵対する中で最も危険な種族の一つ「精神寄生体（ＩＶｓ）」の地球侵略が開始されました。ＩＶｓの超能力に対し、第三勢力はミュータントを初めとする総力で迎え撃ち、苦しい戦いの末、ＩＶｓを地球から撃退しました。 １９７５年には、地球の近傍の「ヴェガ星系」に「トカゲ人トプシダー」の大艦隊が襲来しますが、計略を用いてヴェガから駆逐する事に成功しました。 偶然にも、ヴェガ星系には「永遠の生命の星」の手がかりが残されていました。それを追うローダンは時空間を駆け巡る大冒険の末に、目的地「放浪惑星ワンダラー」に到達し、惑星の主人である精神生命体「超越知性体《それ》」と出会いました。《それ》はローダンの能力を認め、報酬として６２年間老化を止める「細胞活性シャワー」を処置してくれました。 ローダン達が長い冒険を終え地球に帰還してみると、東ブロックにクーデターで誕生した軍事政権が世界戦争を企んでいましたが、ローダンはこの企みを打ち破りました。また、ローダンやトーラ達が金星のジャングルで孤立し東ブロック軍と戦う一幕もありますが、ローダンはこの危機も切り抜けました。 第三勢力には休む間も無く次の危機が訪れました。未知のミュータント「《オーヴァヘッド》」が率いる私設ミュータント部隊が超能力で様々な攻撃を仕掛けてきたのです。しかしミュータント同士の対決は第三勢力に凱歌が上がり、《オーヴァヘッド》は倒されました。 続いて、地球は遂にアルコン帝国内の巨大勢力「銀河商人スプリンガー」に発見され、戦いを強いられる事になりました。銀河商人に加え、帝国の傭兵種族「超重族」までもが参戦して来る苦しい状況でしたが、地球は、ミュータント部隊・計略・《それ》の援助、等を駆使して圧倒的不利を跳ね返し、この死闘を制しました。 １９８４年、ローダン達は、クレスト・トーラ達を故郷アルコンに帰すため、遂に帝国の中枢「Ｍ−１３球状星団」へ進出しました。ところが崩壊寸前の筈の帝国は、意外にも全盛期の勢いを取り戻していました。クレスト達が帝国を離れていた間に、アルコン人の祖先が建設した巨大ロボット脳「摂政」が覚醒し、今やアルコン人に代わって帝国を統治していたのです。摂政は、数千年前のアルコン人が、子孫が衰退した時に起動するように用意していたロボット脳で、皇帝や議会に代わって政治を一手に引き受け、帝国を完全に立て直していました｡ 新参者のローダン達は、まずは帝国副皇帝の反乱の陰謀を未遂に防いで摂政に力を認めさせ、さらに「医師種族アラス」の悪徳商法を暴いて大打撃を与え、すぐに帝国内でも有名な存在となりました。この頃になると、かつて激しく対立していたローダンとトーラの間に愛が芽生えていました。 しかし、アラスはやられっ放しではいませんでした。ローダン、ひいてはテラへの復讐のため、スプリンガー・超重族を脅迫し、地球破壊作戦を行う様に命じたのです。ところがローダンはこの危機すらをも利用し、偽物の地球を破壊させ、自分は宇宙船の事故で死んだように見せかける、という一大偽装作戦を実行しました。 計画は予定通り進み、アルコン帝国の諸勢力（摂政、スプリンガー、アラス、等）全てが「地球は滅び、ローダンは死んだ」と信じました。こうして貴重な時間を得た地球は、帝国に対抗する力を蓄えるため、しばらくの間、銀河の表舞台から姿を消したのでした。帝国の現状に失望し、テラナーと共にある事を望んだクレスト・トーラ達も一緒でした。 |