超技術の殿堂

 ローダン・シリーズに登場する様々な超技術の成果をご紹介いたします。

■ヒュジオトロン

 超知性体《それ》の技術。生物の体に「細胞活性シャワー」を処置する機械。放浪惑星ワンダラーに有る。機械として見える部分は二つの金属柱だけで、その間に入り何らかの肉体的操作を受けることにより、地球年で62年間老化は停止する。しかし62年の期限を過ぎてしまえば、この停止処置は解けてしまい瞬時に老化してしまうため、期限切れの前にワンダラーに赴く必要がある。1976年にローダンはワンダラーを発見した褒美として、自分と自分が許可した存在(アルコン人は除く)にこの処置を受ける事が出来るようになり、幾多の要人が不老を獲得した。しかし2326年にワンダラーが消滅した事で、細胞シャワーは受けられなくなった。代用となる「細胞活性装置」は19個しか見つからなかったので、不死は本当に一握りの者の特権となった。初出=10巻・19話「宇宙の不死者」・1976年

■レンズ・フィールド・ジェネレーター

 テラナーの技術。異時間平面(ドルーフ宇宙)と通常宇宙(アインシュタイン宇宙)の間に通路を作る装置。略称LFG。防御バリアを作るバリア・フィールド・ジェネレーターから偶然に生み出された。環状のフィールドを作り、通常宇宙に相対するドルーフ宇宙の場所へ道を開く。当初は人間がくぐれる程度の穴しかあけられなかったが、のちの改良型では直径100メートルの軽巡洋艦を通す事が可能になった。ただし、この装置によりドルーフ宇宙へ侵入しても、やがて自分たちの時間を失い、ドルーフ宇宙の固有時間(通常宇宙の72000分の1の遅さ)になってしまう。初出=30巻・59話「無からの帰還」・2040年。

■時間凝固装置

 ドルーフの技術。時間経過を外界の数百万分の一にする特殊なフィールドを発生させる装置。「時間凝固装置ジェネレータ」により「時間フィールド」を発生させ、目標の動きを止めてしまう。さらにセットで開発した武器「ショック伝導機」により時間凝固に影響されないショック波をフィールド内に送り込み、敵を失神させ抵抗力を奪ってしまう。ドルーフの主席科学者オノトが開発したが、結局兵器として実戦投入されるには至らなかった。また試作機はテラナーの手に渡ったが、こちらも奪取しただけで以後物語には登場しなかった。初出=38巻・76話「ドルーフォンの陽の下で」・2043年。

■ポテンンシャル凝縮装置

 未知種族の技術の産物。影響範囲に入った原子のポテンシャルを凝縮し、大きさ・質量を千分の一に縮小してしまう。縮小の影響でハイパー系の機器は一切使用不可能になる。銀河系−アンドロメダ星雲間に存在する惑星ホラー(三重空洞惑星)の両極の半球ドーム(高さ10キロ)の中に有る。2400年に旗艦《クレストII》はこの装置の影響で直径1.5メートルの球にされてしまった。この縮小化は恒星転送機による転送によって解除された。初出=106巻・211話「秘密兵器ホラー」・2400年

■マルチデュプリケーター

 島の王たちの技術。あらゆる物質をコピーする機械。対象をケージに入れて原子構造を走査し、その「鋳型」を元に複製を作成する。大型のデュプリケーターがあれば、宇宙船をまるごと一隻コピーし量産する事も可能。知性体をコピーした場合は、肉体的特長はもちろん、性格・記憶・能力などはオリジナルと同一、考え方だけは自分たちと同じ、という複製(デュプロ)が作れるため、敵の重要人物を捕らえてすりかえる事は簡単である。また一人の優秀な人物を無限にコピーして、エリートだけの軍隊を作る、という使い方も有る。ただし、ごくまれに、高次元の要素が関わる事(病気、超能力、等)はコピーしそこなう事も有る。この装置は島の王たちの秘密兵器として大活躍したが、2406年に彼らが滅び去った際、製造技術は全て失われた。初出=111巻・222話「アンドロメダの分身たち」・2401年。

■永遠の生命の塔(181巻)

 M−87銀河の支配種族「中枢部の設計者」の技術の産物。M−87のクリスタル惑星「モノル」上に存在する肉体の再生機構。この塔に入った生物はまず精神と肉体が分離された後、精神は保存される一方で、肉体は原子に分解され「生物物理学的ハイパー再生」という処置によって胎児の状態で再実体化され、最後に精神と肉体が結び付けられる。胎児は数分のうちに再生前の段階の大きさにまで成長するが、肉体的な年齢は事実上零歳に戻っている。この再生処置は病・怪我・老いを完全に追い払うだけでなく、死者を復活させる事すら可能である。M−87銀河の哲人種族「オケフェノケース」は、死ぬとモノルに送られ、惑星上の塔で再生措置を受けて「中枢部の設計者」として蘇えり、第二の生を送ることになるのである。 

 2326年、老衰で死にかけていたグッキーは偶然この措置を受ける事で事実上新生児に戻り、寿命を600年延ばす事が出来た。初出=181巻・361話「永遠の生命の塔」・2326年。

■ペドパイラー

 カピンの技術。カピン特有の超能力「ペドトランスファー」を応用する一種の物質転送機。ペドトランスファーは「精神を肉体から離脱させ、数光時以内の生物の精神を乗っ取る」という能力だが、ペドパイラーを使うことにより、送り出しステーションから受け入れステーションまで肉体を伴って瞬間移動する事が可能になる。送り出しステーションの規模にもよるが、大規模ペドパイラーを使えば、数千万光年離れた異銀河まで移動する事すら出来る。またペドパイラーから発信される「ペド誘導波」をキャッチ出来れば、送り出しステーションを経由しなくても、いきなり受け入れステーションにジャンプできる。初出=211巻・422話「時間の振り子」・3432年



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