ペリー･ローダン百科事典 第12サイクル「アフィリー」 ５．ノンセクション |
| ■アフィリー（３５０巻／７００話） |
３５４０年にテラで確認された、人間が感情を喪失する現象のこと。感情を失った人間は『アフィリカー』と呼ぶ。 アフィリー現象の原因は、３４６０年から地球が巡っている恒星『メダリオン』のハイパー放射の特定領域の影響（＝ワリンジャー効果）である。これが８０年目にして遂に閾値を超え、人間の感情を破壊したのである。 アフィリー現象の症状、つまりアフィリカーの特徴は感情の喪失である。アフィリカーは論理と原始的な本能のみに生き、肉親・友人・隣人に対する愛を失い、冷酷極まりない存在となり、異様に攻撃的になる。 ３５４０年時点でアフィリカーとならなかったのは、細胞活性装置保持者、ミュータント、エモシオ航法士、非テラナー、ごく一部の免疫者、のみだった。しかし、何故かレジナルド・ブルは細胞活性装置保持者にも関わらずアフィリカーと化した。 アフィリカーは３５４０年７月時点で総人口２００億のうち４０％を占めていた。そして３５８０年時点ではテラの住民のほぼ全てがアフィリカーとなった。 ３５８１年、地球に出回った謎の薬物「ピル」によって人類はアフィリーから解放された。しかし解放された人類はその直後、超越知性体”それ”に吸収され、地球から消えた。 ●初出＝３５０巻・７００話・「アフィリー」・３５４０年 |
| ■愛の本（３５０巻／７００話） |
３５４１年頃に地球で出版された書籍。 ３６世紀時点で極めて珍しい「紙を束ねた本」。内容は人類の愛について謳ったもの。アフィリカーが声に出して読むと、極めて短時間だがヒュプノ的な効果で愛を思い出させる特性を持つ。３５４０年から地球を支配していたアフィリカー政府は、この本を徹底的に弾圧したが、反体制派の間で密かに流通した。 作者は長い間不明だったが、３５８１年になって、この本はネーサンが免疫保持者が愛を失わないために作成した事が判明した。 ●初出＝３５０巻・７００話・「アフィリー」・３５４０年 |
| ■善良隣人機構（ＯＧＮ）（３５１巻／７０１話） |
３５８０年時点で地球で活動する免疫保持者（非アフィリカー）の組織名。 組織のリーダーはロワ・ダントン。３５４０年頃に誕生し、３５８０年時点で同種の組織の中で最大の存在である。活動拠点はボルネオ島のジャングルで、洞窟を利用した簡易な基地を定期的に移動している。 組織の活動目的は大きく二つ。 （１）弾圧される非アフィリカーを保護すること （２）人類をアフィリー現象から解放すること ＯＧＮはアフィリカーは敵ではなく「病に冒された治療すべき病人」と捕らえており、いつの日にかアフィリーを根絶したいと考えていた。組織は武装はしているが、これはあくまで防衛のためのものであり、アフィリカー政権の打倒は目的とはしていなかった。 ３５８０年末、ＯＧＮはアフィリー政府の大弾圧により事実上壊滅し、残存メンバーは「オヴァロンの惑星」に逃走した。 ●初出＝３５１巻・７０１話・「自由への旅立ち」・３５４０年 |
| ■フォームエネルギー（３５７巻／７１３話） |
３５７８年に物語に登場した用語。物質化した純粋エネルギーの事。 例えば、テラナーの宇宙船《ソル》の艦載脳セネカに通じる通路はフォームエネルギーのチューブである。 エネルギーを物質化して使用する技術は３４６０年頃はラール人の独占技術であり、テラナーには実現方法は全く不明だった。テラナーはおそらく３４６０年から３５４０年（＝《ソル》が完成した年）の間に自分たちも独自に実用化したに違いない。 ●初出＝３５７巻・７１３話・「ロボットは嘘をつかない」・３５７８年 |
| ■銀河系諸種族の尊厳連合（３６３巻／７２５話） |
３５８０年頃に物語に登場した銀河系種族の大同盟のこと。 ３５８０年頃に、テラナー（正確には「惑星ガイア」の住人）の提案によって、当時銀河系を１２０年間支配していた「七種族の公会議」に対抗するために結成された。略称は「ＧＡＶＯ”Ｋ」。 参加種族は以下の１５種族。 ・テラナー ・エプサル人（テラナーからの派生種族） ・エルトルス人（テラナーからの派生種族） ・シガ星人（テラナーからの派生種族） ・オクストーン人（テラナーからの派生種族） ・アルコン人 ・ツァリト人（アルコン人からの派生種族） ・スプリンガー ・アラス ・アコン人 ・ブルー族 ・ハルト人 ・カイマ人（正体不明） ・テフローダー ・マークス（アンドロメダ星雲の支配種族：特別参加？） ●初出＝３６３巻・７２５話・「ギャラクティカーの同盟」・３５８０年頃 |
| ■次元トンネル（３６３巻／７２６話） |
３５８１年にテラナーが知った概念。ブラックホール間を繋ぐ特殊な通路。 ある種のブラックホールが物質を飲み込みつづけた場合、質量は無限大にならず、ある時点で「強制的転極」が発生し、余剰エネルギーを「高位次元の末端集合体」に放出する、その際に形成される通路の事。 全宇宙で次元トンネルの入り口となるブラックホールは合計１８個存在する。このブラックホールから通じる出口は、ダッカル・ゾーンに存在するブラックホール「ビロードの目」である。次元トンネルは、通常宇宙側のブラックホールが余剰エネルギーを放出し「エネルギー飽和状態」を維持している場合にのみ利用できる。もしトンネル内に居るときにエネルギー飽和状態が終了すると、そのまま移動不能になり、次の飽和状態まで留まるしかない。 ３５７８年に《ソル》はバラインダガル銀河のブラックホール「大いなる黒いゼロ」に突入し、次元トンネルを経由して、３５８１年にダッカル・ゾーン内のブラックホール（五次元性末端集合体）の「ビロードの目」から吐き出された。 ●初出＝３６３巻・７２６話・「ダッカル・ゾーンにて」・３５８１年 |
| ■ダッカル次元風船（３６３巻／７２６話） |
３５８１年に《ソル》が到達したダッカル・ゾーン（五次元と六次元の狭間の空間）内の特殊領域。 ダッカル・ゾーンに浮かぶ風船状のエネルギーの膜。膜が五次元・六次元エネルギーを相殺するため、内部は通常の宇宙と殆ど変らない環境が維持されている。 風船の内部空間には「扇」と呼ばれる小星団が存在する。この空間は、扇の要部分に存在するブラックホール「ビロードの目」を出入り口とする「次元トンネル」合計１８本により外部（通常宇宙のブラックホール）と繋がっている。 ３５８１年１月、《ソル》はバラインダガル銀河のブラックホール「大いなる黒いゼロ」からビロードの目を経由して、ダッカル次元風船に到着し、この空間で公会議の中枢部と遭遇した。同年４月、エネルギー膜の不安定化とそれに伴う次元トンネルの崩壊により、ダッカル次元風船は通常宇宙から永遠に切り離された。 ●初出＝３６３巻・７２６話・「ダッカル・ゾーンにて」・３５８１年 |
| ■ピル（３７４巻／７４８話） |
３５８１年に地球に出回った謎の薬物。 ライトグレイの四角い錠剤で価格は半ソラー。名前は効能の「潜在感情をパラ心理的・集中的に不安定化する」の頭文字を並べた物。アフィリカーが服用すると、感情を取り戻すと同時に、幸福状態に包まれ何の不安も感じなくなる。 超越知性体”それ”が開発し、ネーサンに配布させた。 ●初出＝３７４巻・７４８話・「謎めいたラファエル」・３５８１年 |
| ■成就の計画（３７４巻／７４８話） |
３５８１年に超越知性体”それ”が実行した人類救済計画。 「人類の救済者」を名乗る”それ”が計画し、ネーサンをパートナーとして実行した。 まず、ネーサンにピル（人類をアフィリー状態から解放する薬剤）の製造方法を連絡し、地球中に配布させ人類に感情を取り戻させた。さらに”喉”に突入する地球からの人類の脱出を阻止させた。最終段階として、地球が”喉”に突入する直前、地球に残った全人類（２００億人）を吸収した。 この計画が何を成就したのかは謎のまま終った。 ●初出＝３７４巻・７４８話・「謎めいたラファエル」・３５８１年 |
| ■テルムの女帝の研究者（３７９巻／７５７話） |
３５８２年に物語に登場した存在。生物ともロボットとも解らない存在。 外見は非ヒューマノイド。腕２本、足４本。胴体は直径７０センチ、高さ５０センチのドラム缶状。腕は７０センチで指先はカギ爪。足は長さ１メートル。先に三本のカギ爪。胴体に七個のくぼみが有り、そこから３０センチのセンサーが伸びていて、見る・聞く・その他の五感を担当する。胴体上部の三つの透明な円形からエネルギーを摂取する。発声部分は、足の付け根部分の幅２センチ長さ１０センチの垂直の切り込み３個。肌はダークグレイ。体重１２５キロ。 性格は極めて温厚。 研究者は、「テルムの女帝」なる存在の指示で、「モジュール」と呼ばれる宇宙船的な物に勤務し研究をしている。しかし秘密保持のため、モジュールから離れると記憶を一切消されてしまい、「テルムの女帝」「モジュール」の詳細はおろか、自分が生物なのか、もしくは生物を模した有機ロボットなのか、すら思い出せない。 ３５８２年１月、テルムの女帝の研究者の一人「ドウク・ラングル」は、偶然地球を発見し、以後テラナーたちと共に行動するようになった。 ●初出＝３７９巻・７５７話・「人類なき世界」・３５８２年 |
| ■テラ・パトロール（３８４巻／７６８話） |
３５８２年に地球でアラスカ・シェーデレーアが結成したグループ。 ３５８２年３月時点で、地球はメダイロン星系ごと未知宙域に移動し、また住民の大半は地球から消えていた。３５８２年３月４日、アラスカは残った僅かな人々を集め、このグループを結成した。その目的は、消えたテラナーの探索、地球の位置の確定、停止していたロボット脳ネーサンの再起動、などだった。 初代の隊長はアラスカで、ジェント・カンタルが２代目の隊長。 テラ・パトロールは、地球に侵攻してきた超越知性体バルディオクの勢力と戦ったが、結局３５８２年７月に地球脱出を余儀なくされ、メダイロン星系から１７光年離れた惑星インテルメッツォに退避した。 ●初出＝３８４巻・７６８話・「テラ・パトロール」・３５８２年 |
| ■力の集合体（３８６巻／７７２話） |
３５８２年に物語に登場した概念。超越知性体が統治する領域の事。 超越知性体が影響を及ぼす複数の銀河に跨る領域。超越知性体はこの領域内に住む種族を、ポジティブに指導するか、あるいは恐怖で支配している。テラナーの故郷銀河系は超越知性体“それ”の力の集合体に属していると考えられる。 ３５８２年８月、ローダンたちはケロスカーのドブラクから「力の集合体」の概念について説明を受けた。 ●初出＝３８６巻・７７２話・「ヴリノスの亡霊」・３５８２年 |
| ■コンプ（３９５巻／７９０話） |
３５８２年頃にローダンたちがド＝モルヴォン銀河で遭遇したクリスタル存在。 外見は高さ３０メートルほどのクリスタルの塔。基部の直径は１０メートル。クリスタルで出来たクモの巣の様な姿。 ３５８２年末頃、ローダンたちは超越知性体「テルムの女帝」の依頼で、ド＝モルヴォン銀河のコーステボウト星系で難破した巨大宇宙船「モジュール」の中からコンプを運び出した。当初は一種のデータバンクだと思われていたが、やがて意志を持つ女帝の分身的な存在だと判明した。その行動は傲慢そのもので、ローダンたちをただの道具としか見なさなかった。３５８３年１月、コンプは「モルヴ・アラン小銀河」の惑星アルウールクに送り届けられた。 ●初出＝３９５巻・７９０話・「モジュールの秘密」・３５８２年頃 |
| ■８０年計画（-巻／-話） |
３５８１年にケロスカーが立案した、銀河系から公会議勢力を退去させる計画。 ラール人に、公会議内部に裏切り種族がいると思い込ませ、他の種族との同盟関係を破壊し、最終的に銀河系から追い出すというもの。 ３５８１年にローダンたちが支援する形で開始され、３５８２年２月にローダンたちが銀河系からいなくなった後も、ケロスカーは独自に計画を推し進めた。 |