ペリー･ローダン百科事典 第12サイクル「アフィリー」 ２．国家 |
| ■地球（３４６０年以降の）（３５０巻／７００話） |
地球の３４６０年以降の設定。星のメールストローム内・赤色恒星メダイロンの第２惑星になってからの政治体制について。 （１）ローダン政権時代（３４６０年８月〜３５４０年７月） 国家元首は大執政官ペリー・ローダン。ローダンを補佐する「執行評議会」が新たに設立された。 ・執行評議会メンバー ・執行者エグゼク１＝ペリー・ローダン（大執政官と兼任） ・同 ２＝レジナルド・ブル ・同 ３＝ロワ・ダントン（マイクル・ローダン） ・同 ４＝ガルブレイス・デイトン 外部からの物資輸入が出来なくなり、しかも農作物の生産もメダイロンと太陽の性質の違いで問題が発生したが、人類はこの困難に一致団結して対応し、最終的にメダイロン星系での生活に無事順応した。人口は２００億人で安定した。プローンとの同盟関係は、両種族があまりに違いすぎて自然消滅したが特に問題は無かった。 しかし３５３０年頃から新しい問題が発生した。国民の間で暴力事件が増加し始め、しかも原因は不明だった（のちに恒星メダイロンのハイパー放射の影響「ワリンジャー効果」であることが判明した）。３５４０年頃にはこの狂気的状態は国民のほぼ半分に広がっていた。 （２）アフィリカー政権時代（３５４０年7月〜） 国家元首は「理性の光」レジナルド・ブル。 ３５４０年７月にレジナルド・ブル率いるアフィリカーの過激派組織「純粋理性の息子たち」によるクーデターが発生し、ローダン達前政権の閣僚は即座にでっち上げの罪状で断罪され、地球から追放された。ブルは政府主席「理性の光」を名乗り、取り巻きたちとともに独裁体制を確立した。 ３５８０年の地球は殆ど全ての人間がアフィリカーと化していた｡そして彼らはアフィリカー政権が確立した悪夢的管理社会の中で暮らしていた。 ・国民全員が「個人識別コード発信機（ＰＩＫ）」を皮下に埋め込む義務を課され、居場所は常に「個人監視システム（ＰＩＭＯＳ）」で把握されている｡ ・街中に小型記録装置が配置され、個人の行動を監視している｡ ・監視用人型ロボット「Ｋ＝２」が街中を巡回し、「人間関係調整法」に違反した者はその場で暴力による処罰を受ける。 ・胎児は人の手で育てる事は許されず「ウォームボックス」という保育施設で育てられる｡ ・一定の年齢に達した老人は「沈黙の家」と呼ばれる施設への入居が義務付けられ、死亡すると即座に内臓が摘出される。 ・感情を持つ人間（免疫保持者）は病人と見なされ、国家警察により弾圧されている｡ アフィリカー政権時代、免疫保持者達は、感情を持たないふりをするか、ロワ・ダントンが作った組織「善良隣人機構（ＯＧＮ）」に参加し弾圧と戦っていた。 ●初出＝３５０巻・７００話・「アフィリー」・３５４０年 |
| ■銀河系（３５８０年時点での）（３５３巻／７０６話） |
３５８０年時点の物語の中の銀河系の政治体制について。 ３５８０年時点で、銀河系は公会議（ＮＧＣ３１９０銀河から進駐してきたラール人と、アドバイザー役の種族ヒュプトン）により完全に支配されている（３５６０年以降約１２０年間）。ただし、ラール人は統治に専念しており、戦闘などは補助種族の超重族が担当している｡ 銀河系は公式には公会議の支配領域だが、実際の統治者であるラール人は銀河系を「公会議の版図」ではなく「ラール人の所有物」と考え、そのようにふるまっている｡なぜなら銀河系は公会議本部（位置不明）からあまりに遠く、本部の影響力が殆ど及ばないからである｡ラール人は公会議本部から送られる統治計画を半分無視し、自分たちの独自の方針を貫いている｡ かつて銀河系で有力だった諸種族（テラナー、アコン人、ブルー族等）は全てラール人／超重族の下僕に成り下がっている｡特にテラナーは超重族に目の仇にされているため、超重族の奴隷とされているか、何処かの惑星に隠れ住んでいるか、どちらかでしかない。唯一、アトランが暗黒星雲プロヴコン・ファウスト内に建国した小国家「新アインシュタイン帝国（ＮＥＩ）」が、僅かに独立を保っているといえるが、ＮＥＩはラール人との間に非公式な”紳士協定”を結んで停戦し、ひたすら隠れ住んでいるだけなので、ラール人の支配には何の影響も無い。他の種族（アコン人、他）は、テラナーと比べれば自由は有るものの、やはり公会議や超重族に敵対するような力は無く、ラール人の政策に従うのみである｡ ●初出＝３５３巻・７０６話・「太陽の使者」・３５８０年 |
| ■新アインシュタイン帝国（３５３巻／７０６話） |
３５８０年に物語に登場した人類の国家。公会議に追い立てられた人類が建国した小国家。略称は「ＮＥＩ」。 首都は銀河系の暗黒星雲プロヴコン・ファウスト内・プロヴ星系第３惑星ガイアの首都「ソル・タウン」。統治しているのは惑星ガイアのみ。国家元首の称号は「大行政官」。 新アインシュタイン帝国は、３４６０年の公会議による太陽系帝国崩壊とそれに続く地球の失踪の後、惑星ガイアに逃げ込んだテラナーの避難民によって３４６０年に建国された。初代の大行政官はアトラン。ガイアの暦法は、失われた地球を忘れないため西暦を採用している。 ３５８０年時点で、新アインシュタイン帝国は公会議と非公式に「スタトゥス・クオ」と呼ばれる停戦状態にあったが、水面下では公会議を銀河系から撃退するための活動を地道に行っていた。しかしガイアの住民の大半は、銀河系の情勢に殆ど何の関心も持っていなかった。３５８２年２月、ローダンはＮＥＩの住民に対公会議戦争への参加を呼びかけたが黙殺された。その後、アトランは失脚し、ティフラーがその後継者となった。 ●初出＝３５３巻・７０６話・「太陽の使者」・３５８０年 |
| ■公会議（３６４巻／７０６話） |
（３４５９年〜３４６０年時点の設定は第１１サイクル「公会議」を参照のこと）。 ３４５９年に銀河系を征服した汎銀河規模の巨大星間帝国。別名「七種族の公会議」「七種族のヘトス」。 首都はダッカル・ゾーン内の新アルヤド星系の惑星グロジョッコの首都グロノック。中心種族は非ヒューマノイドの爬虫類型種族「ツグマーコン人」。３４５９年（銀河系侵攻以前）の時点で５つの銀河を支配していた。 公会議の表面上の支配者はツグマーコン人だが、真の支配者は精神生命体「コルトン人」である。コルトン人は、かつて絶大な権力で宇宙を支配したあと突如衰退し、わずかな権力者だけが精神生命体として生きのび、彼らの帝国は瞬時に消滅した。しかし、コルトン人は自分たちのかつての栄光を取り戻すため、（自分たちから見て）原始的な種族ツグマーコン人を背後から操作し、改めて巨大国家・公会議を建設させた。３５８１年時点で、ツグマーコン人はコルトン人から操られている事は全く意識していなかった｡ （表面上の）最高権力者は、ツグマーコン人の「ゼロ守護者」の称号を持つ７人の執政官（独裁者）。ゼロ守護者の任期は終身。欠員が出た場合は生前に指名した後継者「遺産の継承者」が昇格する。政治体制は独裁制。ツグマーコン人とそれを支える５大補助種族による暴力支配と奴隷制。ツグマーコン人は自分たち以外の種族を（５大補助種族も含めて）下等な存在と見なしている。 公会議は最低でも５万年の歴史を持つ。ツグマーコン人がダッカル・ゾーンからブラックホールの次元トンネルを経由して各地の銀河を探索し、有能な種族を次々と支配下に加え、勢力を拡大して現在の姿となった。 公会議（の構成種族の一つラール人）の技術力は、３４５９年時点で、テラナーを始めとするあらゆる銀河種族に千年以上先行しており、軍事力では全く抵抗不可能だった。 公会議は３４５８年頃には銀河系に密かに進出し、スパイ組織を構築して銀河系の情報を収集していた。３４５９年１月にまずラール人が姿を表し、ローダンを第一ヘトランに祭り上げ、２月には反抗する全銀河種族の艦隊を撃破し、事実上銀河系を占領した。 ３５７８年７月、ケロスカーがバラインダガル銀河の消滅に巻きこまれて事実上全滅し、公会議から脱落した。 ３５８１年４月、コルトン人たちがローダンたちによって倒された。 ＜公会議の構成種族＞ １．コルトン人＝精神生命体。公会議の真の支配者（３５８１年４月に絶滅）。 ２．ツグマーコン人＝（表面上の）支配者種族 ３．ラール人＝補助種族。戦闘・支配領域の占領統治担当 ４．ヒュプトン＝補助種族。アドバイザー ５．グライコ人＝補助種族。公会議内の調停担当 ６．マスティベック人＝補助種族。ラール人の宇宙船へのエネルギー充電担当 ７．ケロスカー＝補助種族。戦略立案担当（３５７８年８月に絶滅） ＜公会議の支配領域＞ ・ダッカル・ゾーン内の”扇”星団 ・ＮＧＣ３１９０銀河（別名：ラール人銀河） ・クマシィ＝プツァン銀河 ・マスティベック銀河 ・グライコ銀河 ・バラインダガル銀河（３５７８年に消滅） ・銀河系（人類の故郷銀河）（３４６０年以降） ●初出＝３６４巻・７２７話・「闇のスペシャリスト」・３５８１年 |