ペリー・ローダン百科事典 第１０サイクル「宇宙のチェス」 ５．ノンセクション |
| ■宇宙チェス（３００巻／６００話） |
３４５６年から３４５８年にかけて超越知性体「それ」と「反それ」の間で行われた戦いのこと。目的は彼らの影響領域の支配権。戦いはあたかもチェスのごとく、互いが「一手」ずつ何らかの行動を起こし、相手側がそれに対応する形で行われた。超越知性体達はこの戦いを文字通り「ゲーム」と呼んだ。戦いの駒にはテラナーが選ばれ、決められた手数の中でテラナーを滅ぼせば”反それ”の勝ち、逆にその手数の間テラナーを守りきれば”それ”の勝ち、という取り決めだった。 超越知性体同士が正面から衝突しなかったのは、お互いの力が完全に拮抗し、さらに事実上不滅の存在であるため、永遠に勝負がつかないと判断したために違いない。 戦いは以下の三局面に分類できる。 （１）《マルコ・ポーロ》の並行宇宙漂流 （３４５６年 ８月〜同年１１月） （２）ＰＡＤ病の銀河系での蔓延 （３４５６年１１月〜３４５７年５月） （３）ローダン脳の異銀河での戦い （３４５７年 ６月〜３４５８年５月） いずれの戦いでも”それ”が僅差で勝負に競り勝ち、３４５８年５月には最終的な勝利を宣言した。さらに、この時点で”それ”は”反それ”の無数のルール違反を指摘した。ゲームの立会いをつとめていた「宇宙の高次勢力（暗闇のチェスの勢力）」はその申し立てを認め、”反それ”を「無名ゾーン」なるいずことも知れない場所に「十相対単位」の期間追放した。 ●初出＝３００巻・６００話・「不可視の領域」・３４５６年 |
| ■ＰＡＤ病（３０４巻／６０８話） |
３４５６年１１月にテラで発生した伝染病。「心身性アブストラクト変形（サイコソマティック・アブストラクト・デフォルメーション）」の略。別名「ホビー病」、または「魂の後退」。病原体「パラエネルギー性ウイルス」は生物とエネルギーの中間的存在で、ハイパー通信を媒体として超光速で拡散し、あらゆる知的生命体の脳に感染し、精神に異常を発生させる。 種族ごとに様々な症状が発生したが、テラナーの場合は症状は以下の三段階に分けられる。 ・第一期＝「無気力化」「性急な行動」「ホビースト化（義務や規制を無視して、自分のやりたいことに熱中する）」のいずれか。 ・第二期＝帰郷衝動（植民者は地球を、地球住民は海底に沈んだレムリア大陸を、それぞれ目指す）。 ここまでの段階であれば、強靭な精神力で症状を押さえ込むことは可能である。しかし、第三期に突入すると、耐えがたい疲労感と首筋・後頭部の痛みが発生し、まともに思考・行動することは不可能となる。そしてこのまま回復する事無く、最後には衰弱死する。治療法は存在せず、一度発病すれば必ず死亡する。 ＰＡＤ病は３４５７年５月には銀河全域に蔓延し、銀河種族が絶滅するのは確実な状況となった。アラスカ・シェーデレーア達は過去に遡って歴史を改変し、ＰＡＤ病の発生そのものを抹消することで銀河を救済した。 ●初出＝３０４巻・６０８話「ＰＡＤを追って」・３４５６年 |
| ■サイナック（３１２巻／６２３話） |
「ナウパウム銀河」の言葉で「さらわれてきた脳」の意味。ナウパウム銀河では脳売買が普通に行われているが、特に本人の意思に反して売られた脳をこう呼ぶ（らしい）。また、「特別な脳」という意味合いでも使われている模様。 ３４５７年、ローダンの脳がナウパウム銀河の「惑星ヤアンツァル」の「脳マーケット」で扱われた時、周囲からこう呼ばれるようになった。 ●初出＝３１２巻・６２３話「脳マーケット」・３４５７年 |
| ■GOK（秘密臓器コマンド）（３１２巻／６２３話） |
ナウパウム銀河の惑星ヤアンツァルの秘密警察。臓器移植に関する犯罪一般を担当する。戦闘グライダー等の重火器を所有し、どちらかというと警察より軍隊に近い。 ●初出＝３１２巻・６２３話「脳マーケット」・３４５７年 |
| ■ウィフィノム（３２１巻／６４１話） |
３４５８年に物語に登場した元素名。極めて希少で、カトロン銀河の惑星プリムト（ノルテマ＝テイン星系の第五惑星）でしか発見されていない。特殊な五次元放射「ハイパーディム放射」を発する性質が有り、この放射は知性体の遺伝子に影響を与え、生殖衝動と好戦性を高める作用がある。 カトロン銀河の種族ペルトゥスは、敵対種族の住む惑星にウィフィノムをガス状にして散布し、敵が人口増加で自滅することを狙った「バイオ感染」攻撃を行った。 ●初出＝３２１巻・６４１話「幽霊ごっこ」・３４５８年 |