ペリー・ローダン百科事典 第１０サイクル「宇宙のチェス」 １．天文関係 |
| ■並行宇宙（３００巻／６００話） |
３４５６年にローダン達《マルコ・ポーロ》乗員が事故で移動した別の宇宙。別名「ネガティブ並行宇宙」。この宇宙は一見ローダン達本来の宇宙とそっくりに見えたが、実はテラの住民の善悪の概念は逆転しており、この宇宙のローダン（ローダンＩＩ）は太陽系帝国を恐怖で支配し、他種族（アコン人、スプリンガー、アラス、アンティ、等）を奴隷にしていた。 ３４５６年８月、ローダン達の乗る《マルコ・ポーロ》は、反物質機関「ニューグ＝シュヴァルツシルト反応炉」のテスト中の事故により、この宇宙に移動した。しかし、実際には並行宇宙への移動は、精神生命体”それ”と「”反それ”」によって意図的に起こされたことだった。ローダンは”それ”の指示をうけ、ローダンＩＩと決闘した。ローダンがこの戦いに勝利した報酬として、”それ”は《マルコ・ポーロ》を本来の宇宙へと転送した。 ローダン世界の理論によれば、並行宇宙は「１０×８０の階乗個」だけ存在するとされる。 ●初出＝３００巻・６００話・「不可視の領域」・３４５６年 |
| ■ナウパウム銀河（３１２巻／６２３話） |
３４５７年にローダンの脳が転送された銀河。直径１６万光年。銀河系との位置関係は一切不明。島宇宙の密度が低い”宇宙の辺境”に位置しているため、最も近い銀河「カトロン銀河」ですら１億４００万光年も離れている。 ３４５７年時点で、ナウパウム銀河で有力な種族は、ヒューマノイド種族「ヤアンツトロン人」「レイト人」「デュイント人」である（この３種族は同じ祖先から分化した親戚種族）。レイト人等が統治する「ナウパウム・レイチャト帝国」が同銀河最大の国家。共通言語は「ナウパロ」。 この銀河は３４５７年時点で深刻な人口爆発問題を抱えており、全ての居住可能惑星は移民し尽くされているが、それでも想像を絶する過密状態のため、あらゆる生活資源が不足している｡ ３４５７年、ローダンは「反それ」の計略で、脳だけの状態でこの銀河に転送されてしまった。ローダンはこの銀河で仮の肉体を得て、ナウパウム諸種族の様々な問題の解決を援助した。 ●初出＝３１２巻・６２３話・「脳マーケット」・３４５７年 |
| ■ヤアンツァル（ツォオルノム星系第４惑星）（３１２巻／６２３話） |
３４５７年にローダンの脳がたどり着いた惑星。ナウパウム銀河・ツォオルノム星系第４惑星（ちなみに同星系の惑星は全部で１０個）。気候は温暖。ヤアンツァルとは現地語で”取引”の意味。 首都は「ノパロール」。国家元首の称号は「チャトロ」。元首を含めた政府高官（合計２１９人）の称号は「移植レギュレーター（注：”臓器レギュレーター”という記述も有り）」。政府施設の名前は「ヤアンツァルドシュト」。 ナウパウム＝レイチャト帝国に属する惑星。ナウパウム銀河の最重要惑星の一つで、その理由はナウパウムで唯一”ＰＧＴ法”による臓器移植が可能なため。ＰＧＴ関連機器はこの惑星の六次元重力定数の下でしか完全に動作せず、他の惑星では事実上移植不可能なため、ヤアンツァルが移植事業を完全に独占している。また、その事実により、ナウパウムにおいて一種の聖域・不可侵の存在となっているが、しかし、それゆえにヤアンツァルの権力を奪取しようとする陰謀が過去から絶えない。脳を売買する「脳マーケット」を始め臓器売買市場が存在し、臓器移植を担当する科学者・外科医が多数住んでいる。 臓器移植犯罪専用の秘密警察（というより殆ど軍隊）の「秘密臓器コマンド（略称ＧＯＫ）」を擁する。またＧＯＫでも対処しきれないサイナック犯罪者追跡のための特殊部隊「サイナック捜索コマンド（メンバーは通称”サイナック・ハンター”）」も保有している。 政府の秘密の脳保管所が「チャトロ・バンク」。この中には伝説の種族”ユーロク”の脳も保管されているが、この事実は国家機密とされている。 ヤアンツァルには、十万年以上前にカトロン銀河の種族ペルトゥスが建造した物質転送システム「カトロン脈」のステーションが存在していた。カトロン脈は、ヤアンツァルとカトロン銀河の惑星パインテクを結び、ヤアンツァルの重力定数を強制的にパインテクの物と一致させていた。これがヤアンツァルでＰＧＴ移植が行えた理由だった。さらに、ヤアンツァルには石化したペルトゥスの脳１８個とロボット艦隊が隠されていた。３４５８年、ペルトゥス脳とロボット艦隊はナウパウム種族により一掃された。またほぼ同時にカトロン脈が消滅したことで、以後ＰＧＴ移植は行えなくなった。 ●初出＝３１２巻・６２３話・「脳マーケット」・３４５７年 |
| ■モールク銀河（３１２巻／６２３話） |
故郷銀河系の事。３４５７年にナウパウム銀河に流れ着いたローダン（の脳）は、自分の故郷銀河の事をこの名前で説明した。 ●初出＝３１２巻・６２３話・「脳マーケット」・３４５７年 |
| ■レイト（パストレイヴ星系第６惑星）（３１４巻／６２７話） |
３４５７年にナウパウム銀河放浪中のローダンが訪れた惑星。ナウパウム銀河・パストレイヴ星系の第６惑星（ちなみに同星系の惑星は全部で１４個）。首都は「マクツァドシュ」。「ナウパウム・レイチャト帝国」の中心世界。住民はレイト人。人口３２０億。凄まじい人口過剰状態にあり、空気・水・生活空間等全てが極端に不足している。 ３４５７年にローダンは（脳をヤアンツァル人の体に移植した状態で）この惑星を訪れた。 ●初出＝３１４巻・６２７話・「マクツァドシュの地獄」・３４５７年 |
| ■カトロン銀河（３１９巻／６３７話） |
３４５８年にローダンが「ナウパウム銀河」の種族と共に訪れた銀河。直径は約１６万光年。銀河系との位置関係は一切不明。”宇宙の辺境”に位置する島宇宙。ナウパウム銀河から見て、宇宙の中心方向に１億４００万光年の距離にある。 紀元前１０万年頃までは「ペルトゥス」という種族が支配していたが、３４５８年時点ではペルトゥスは既に滅亡していた。ローダン達の探索行の間に、知的生命体は全く発見できなかった。おそらく他の種族はペルトゥスの支配の間に根絶されてしまったらしく、カトロン銀河は殆ど生物のいない空虚な銀河と思われる｡ ３４５８年、ローダン達ナウバウム銀河の遠征隊はこの島宇宙を調査し、ベルトゥス文明の遺産であるロボット施設等を発見した。ローダン達は敵対的ロボット施設を排除し、この島宇宙に植民する道を開いた。 ●初出＝３１９巻・６３７話・「カトロンの異人」・３４５７年 |
| ■パインテク（グロモ＝モト星系第３惑星）（３２２巻／６４３話） |
３４５８年にカトロン銀河遠征中のローダンが訪れた惑星。カトロン銀河・グロモ＝モト星系第３惑星（ちなみに同星系の惑星は全部で６個）。首都は「プラルト」。0.91G。酸素惑星。 太古ペルトゥスが開発した工業惑星。ペルトゥスのナウパウム銀河侵攻のための拠点惑星の一つ。３４５８年時点では、種族としてのペルトゥスは滅亡しており、残されたロボット脳「コマンド脳」が維持管理を行っている。ただし、脳保管施設「静かな監視者の庭」には、ペルトゥス脳１８個が化石状態で保存されており、眠った状態でナウパウム種族が絶滅する時を待ち望んでいた。 ナウパウム侵攻のための最重要施設は、物質転送システム「カトロン脈」のステーションである。カトロン脈はナウバウム銀河の惑星ヤアンツァルとの間をハイパーエネルギーで連結しており、物質転送だけでなく、ヤアンツァルの重力定数の改変、放射性物質ウィフィノムの影響維持、等、複数の役割を持つ。カトロン脈のハイパー放射は数百光年離れた場所からでも探知できるほどである。 ３４５８年、ローダンやナウパウム種族はこの惑星を訪れ、ペルトゥス脳を全滅させカトロン脈を破壊することで、十万年に及んだナウパウムへの干渉を停止させた。 パインテクには「ＰＧＴ転送機」が有り、遥か離れた場所とのＰＧＴ転送を受信／発信できる。３４５７年６月に、ローダンの脳がナウパウム銀河に送られたのは、この惑星を経由していたことが判明した。３４５８年４月、ローダンの脳はこの転送機に残されていたデータを利用し、故郷銀河の本来の肉体に転送された。 ３４５８年５月、パインテクはナウパウム種族によって破壊され、ペルトゥス文明の最後の拠点は消滅した。 ●初出＝３２２巻・６４３話・「静かな監視者の惑星」・３４５８年 |