ペリー・ローダン百科事典 第７サイクル「カピン」 ５．ノンセクション |
| ■５００年計画（ローリン計画）（２００巻／４００話） |
３４３０年１０月２０日にテラナーが発動した極秘作戦名。目的はテラナー同士の内戦を防ぐため、太陽系の消滅を偽装すること。 この計画の準備は２９３０年代頃からスタートした。この頃、太陽系帝国から無数の勢力が分離独立したため、ローダンは将来的にはテラとこの勢力との間で人類同士の内戦が発生すると予想した。ローダンはこの戦いを回避するため、テラを”消滅”させる道を選んだ。 計画の内容は以下の通り。 １．準備段階（２９３０年代〜３４３０年） ・ＡＴＧ（アンティテンポラル干満）フィールドシステムの建造 太陽系全体を包み込む時間バリア「ＡＴＧフィールド」発生のための施設を太陽系各地に建造する。システムの完成に５００年かかった。偽装のため、これらは「パラトロンバリア発生システムの建造」と宣伝されていた。 ・惑星オリンプの開発 太陽系が消滅した際、外部との物資のやり取りを行う窓口として、ボシック星系第２惑星の惑星オリンプを銀河系の一大商業拠点として開発した。またオリンプの政府主席には、テラナーが開発したロボット「ヴァリオ５００」が「アンソン・アーガイリス」という人間のふりをして着任した。 ・「コンテナ街道」の開発 時間バリアに包まれる太陽系とオリンプを直結するための大規模物質転送システム「コンテナ街道」を準備した。 ・秘密基地の建設 軍事的・経済的に殆ど価値の無い星系に、密かに艦隊を維持管理するための秘密基地を建設した。 ２．実際の発動段階（３４３０年１０月２０日〜１０月３０日） ・艦隊の移動 太陽系艦隊総数５万隻のうち、４万隻までをそれまでの任務から外し、一見無価値な星系に再配置する。ただしこれらの星系には秘密基地が存在する。残り１万隻のみ太陽系に呼び戻す。 ・商船の保護 客船や貨物船４万隻は母港に帰還させるか太陽系艦隊の保護下に入れる。 ・太陽系の消滅の偽装 太陽系を時間バリア「ＡＴＧフィールド」で包み込むことで相対未来に移行する。その際、廃棄予定のロボット要塞「トランスミフォルム・ステーション」６万個と、パラトロン・コンヴァーター搭載宇宙船を爆発させることにより、太陽系が爆発してしまったかのように装う。 反テラ連合艦隊（ダブリファ帝国／カルスアル同盟／中央銀河ユニオンの連合艦隊合計８万隻）が、３４３０年１０月３０日に太陽系襲撃を計画していることが判明した時点で５００年計画は発動された。３４３０年１０月３０日の「ローリンデイ」に、太陽系は反テラ連合艦隊の目前で、偽装爆発と同時に相対未来へ移行し、消滅を装った。 ３４３１年１１月には、太陽系と惑星オリンプとの間に「コンテナ街道」が開通し、太陽系はオリンプを隠れ蓑にして外部との商取引を復活させた。また同時にオリンプ政府主席アンソン・アーガイリスが、ローダンの「遺書」に基づいて後継者となり、太陽系帝国の資産を艦隊を含めて引き継いだ。アーガイリスはローダンの意向を反映しながら人類世界を慎重にコントロールした。 （もっとも「ローリンデイ」から２年も経つと、『太陽系はどこかに存在している、ローダンも存命である』という事は、味方は勿論敵にも周知の事実になっていました）。 ５００年計画は３４３４年７月１７日をもって終了し、太陽系は現実時間に再び出現した。 ●初出＝２００巻・４００話・「薄明の人類」・３４３０年 |
| ■インケロニウム（２０４巻／４０７話） |
３４３２年にテラナーが発見した元素名。銀河系イーストサイドの惑星マヴェリックで発見された希少元素。色はルビー色。 極めて特殊な状況でしか生成されないため、計算によれば全宇宙の中でマヴェリックでしか産出せず、「反物質宇宙」にも対となる「”反”インケロニウム」は存在しない。そのため対消滅を発生する危険が無いので、反物質と接触するためのコーティング「マヴェリック・ケープ」の原料に用いられる。また、ごく微量でも正反物質の反応を中和する性質を持つ。 （注：”ローダン世界”では、正物質・反物質の対消滅は同一元素間（例：銅−反銅、酸素−反酸素、等）のみに限定されています。インケロニウムは対消滅を起こす”反”インケロニウムが無いので、つまりどんな反物質と触れても大丈夫、という理屈です。”我々の世界”では、対消滅は原子レベルで発生するので、もちろん上記の様な話はありえません。１９７０年代初頭でもこれくらいは既に解っている話だと思うのですが・・・）。 ●初出＝２０４巻・４０７話・「新元素」・３４３２年 |
| ■テレプシメーション（巻／話） |
３４３２年に物語に登場。超能力の種類。物質転送能力。この超能力の使用者の呼び方＝「テレプシマット」。 スーパー・ミュータント・リバルド・コレッロの能力の一つ。最高２５キログラムまでの物質を精神の力で任意の場所に転送する能力。転送は「視認できる場所」もしくは「心理的に接触している生物」の中へ行える。 ３４３４年にコレッロが洗脳（胎児封鎖）から逃れたあと、この能力は以前より弱まっており、重量は最大７５０グラムまで、到達距離は４０キロメートルまで、となっていた。 |
| ■クインタディムトラーファー（２０９巻／４１８話） |
| ３４３３年に物語に登場。超能力者の呼び名。超能力の種類＝物質を異空間に転送し消滅させる能力。 「スーパー・ミュータント」リバルド・コレッロの超能力者としての属性の一つ。クインタディムトラーファーは最大直径８メートルまでの五次元球状フィールドを発生させる。発生させたフィールドは非実体化属性を持ち、包みこんだ物質を五次元エネルギー凝縮体に変換して、異空間（ハイパー空間、または五次元超空間）に転送し、そのまま消滅させる。この能力はコレッロが目視可能な目標にのみ適用できる。 （超能力名の記述は無し。「五次元転送能力」、くらいでしょうか？） ●初出＝２０９巻・４１８話・「スーパー･ミュータント襲来！」・３４３３年 |
| ■超心理物質（２１０巻／４１９話） |
３４３３年に物語に登場した物質名。「スーパー・ミュータント」リバルド・コレッロが作り出す物質名。 コレッロが超能力で「五次元エネルギー」を固体化した物質のこと。コレッロは一度に最大１０グラムまでの超心理物質を生成し最長１０日間この形を取らせる事が出来る｡この期間を過ぎると超心理物質はエネルギーに戻る｡この際解放される五次元エネルギーは光速の２０倍で拡散し、エネルギー量はスーバーノヴァの爆発に匹敵する。つまり１０グラムの超心理物質だけで一つの星系を簡単に消滅させるだけのエネルギーを秘めているのである｡ ３４３３年にコレッロはこの物質を兵器として使い、太陽系を破壊しようとしたが、この計画は偶然により失敗した。 ●初出＝２１０巻・４１９話・「《インターソラー》あやうし！・３４３３年 |
| ■ペドトランスファー（巻／話） |
カピン種族の持つ超能力。他の生命体を乗っ取る能力。自らの精神を肉体から離脱させ、他の生物に取り付き自由に操作する。離脱した精神は犠牲者の間を渡り歩くことができる。乗っ取られた犠牲者は（カピンが許さない限り）自分の意志は持てず、乗っ取られている間の記憶も無い。この能力を使用している間、本来の肉体は、長さ１メートル程のカイメン状の物体「残留体／ツラーフ」に変形する。 ペドトランスファーは紀元前２０万年頃はガンヤス人・タケル人のごく一部しか使用できなかったが、３４３４年時点ではタケル人にとっては一般的な能力である。 |
| ■インケテルク鋼（２２５巻／４５０話） |
３４３７年に物語に登場。テラナーが開発した合金。「インケロニウム＝テルコニット合金」の略称。 テルコニットとインケロニウムと混ぜた金属で、強度はテルコニット鋼の３０倍、溶点は摂氏１０万度である。 ●初出＝２２５巻・４５０話「《マルコ･ポーロ》の発進」・３４３７年 |
| ■ガンヨ信仰（２４１巻／４８１話） |
３４３８年に物語に登場。グルエルフィン銀河のカピン種族の宗教の一つ。グルエルフィン銀河の衛星銀河のモルシャズタス小銀河に隠れ住むガンヤス人の信奉する宗教。自称「グルエルフィン銀河で史上最大の宗教宗派」。 教義は、『紀元前２０万年頃に失踪したガンヤス人の指導者”ガンヨ”が、２０万年後（＝西暦３４３０年代頃）に降臨し、信者を幸福に導く』というもの。聖地はモルシャズタス銀河の「惑星アリバヌム（旧名シコバト）」に有る「オヴァラシュ神殿」。信者は「ガンヨプレスター」と呼ばれる。宗教指導者合計１１人の役職名は「ペドパイロット」。最高権力者の「主席ペドパイロット」は特に「６次元パイロット」とも呼ばれる。 ペドパイロット達はガンヤスの民衆から尊敬を受け、有る意味ガンヤス政府以上の力を持っていた。しかし、実はペドパイロット達は３４３８年時点で完全に腐敗しており、ガンヨが帰還した後で自分達が権力を失わないため、ガンヨを抹殺する準備を数千年かけて整えていた。そして、現実にオヴァロンが出現すると、それを実行に移そうとし、さらにニセのガンヨを立てて政府を乗っ取ろうとした。しかしローダン達の活躍でその陰謀は粉砕され、ペドパイロットの権力は失われた。 ●初出＝２４１巻・４８１話・「裏切者たち」・３４３８年 |