ペリー・ローダン百科事典 第６サイクル「Ｍ−８７」 ３．種族 |
| ■震動守護者（１６１巻／３２２話） |
２４３６年にテラナーが遭遇した非ヒューマノイド種族。人工生命体（レトルト生物）。ハルト人の親戚筋。別名「二次制約者」。「時間警察」の上から二番目の地位にある種族。 身長３．５メートル。半球状の頭。三個の目。鋭い歯の生えた口。頑丈な体に、腕四本、足二本。肉体は「構造変換」能力により自在に硬化できる。真空中でも生存可能。要するにハルト人と外見も能力も同じ。首の周りに「シンボフレックス＝パートナー」という不定形生物を接続しており、共生関係にある（と彼らは思っているが真実は違う）。 パーリアンの上位存在に当たり、普段は眠りについているが、パーリアンが敗北した場合、すぐさま出撃する。行動目的は、歴史を変える危険のある全ての時間実験を食い止める事で、そのためにタイムマシンに関するものを発明した種族、或いは時間移動能力を持つ生物、は絶滅させることも辞さない。 「ウレブ（＝第一震動力）」によって作られた人工生物で、その命令には絶対服従する。実は自分たちは気が付いていないが、シンボフレックス＝パートナーによって常時洗脳状態にあり、第一震動力のいう事を盲目的に信じ込まされている。パートナーを外そうとする者は毒を流し込まれて殺されてしまう。 第一震動力の命令で２４３６年からテラナーを「時間犯罪者」と決め付け殲滅しようとした。２４３７年には大艦隊で太陽系を総攻撃し壊滅的なダメージを与えたが、テラナーとハルト人の攻撃で全滅した。 ●初出＝１６１巻・３２２話「巨人めざめる」・２４３６年。 |
| ■シンボフレックス＝パートナー（１６１巻／３２２話） |
２４３６年に物語に登場した不定形生命体。色は白。震動守護者の首筋に張り付いて神経系・循環系を共有している。１／１０秒未来を見る能力があり、震動守護者にその情報を伝える代わりに栄養をもらっている。 震動守護者はシンボフレックス＝パートナーを共生体と考えているが、現実にはパートナーによって操られている｡パートナーは、常時ピュプノ暗示能力によって震動守護者の思考を制限し、第一震動力の命令に盲目的に従わせている｡パートナーを無理に外そうとした場合、即座に震動守護者の循環系に猛毒を流し込んで殺害してしまう。 ●初出＝１６１巻・３２２話「巨人めざめる」・２４３６年。 |
| ■けだもの（巻／話） |
２４３６年に物語に登場した非ヒューマノイド種族。Ｍ−８７銀河で作られた人工生命体（レトルト生物）。ハルト人の祖先筋。 身長３．５メートル。半球状の頭。三個の目。鋭い歯の生えた口。頑丈な体に、腕四本、足二本。 ２４３５年から遡ること七万年前に、Ｍ−８７銀河の支配種族「中枢部の設計者」によって、戦士種族として製造されたが、すぐに創造者に叛乱を起こした。以後数千年間Ｍ−８７全種族に相手に戦いつづけ、ある時点ではＭ−８７征服目前だったが、最終的に敗北し、Ｍ−８７から逃亡した。 その中で約二億体は大マゼラン星雲に逃げ込み、数千年間は大人しくしていたが、紀元前六万年頃から再度勢力拡大を開始し、この星雲を支配するに至った。 また、自分たちを改良した新種の生物の研究も行い、「ウレブ」を生み出したが、やがて自分たちより遥かに優れたウレブを神の様な存在として崇め、従うようになった。紀元前５万年頃には、ウレブの命令の元、銀河系の「レムール帝国」に対して戦争を仕掛けて滅ぼしてしまった。 ２４３６年時点で銀河系や大小マゼラン星雲ではけだものは滅びてしまっているが、Ｍ−８７銀河ではまだかなりの数が地下で活動している。 |
| ■ウレブ（１９７巻／３９４話） |
２４３７年にテラナーが遭遇した非ヒューマノイド種族。人工生命体（レトルト生物）。ハルト人の親戚筋。別名「第一震動力」。「時間警察」の最上位種族。 身長３．５メートル。半球状の頭。三個の目。鋭い歯の生えた口。頑丈な体に、腕四本、足二本。緑褐色のうろこ状の皮膚。繁殖能力が無い代わりに不老不死。肉体を非物質化し、他の生命体に取り付いて操ることが出来る。ただし、その際自分の体重をそのまま持っていくため、犠牲者の体重がとてつもなく重くなり、簡単に見分けることが出来る。根拠の無い妄想から『誰かが過去に遡り、歴史を改変して自分たちの存在を抹消してしまうかもしれない』という恐怖心を強く抱いている。 技術レベルは２４３５年のテラナーより遥かに上。 ２４３７年時点での中心世界は、大小マゼラン星雲の中間にある「エネミー星系」。 紀元前五万年〜六万年の時期に「けだもの」によって作成されたが、その能力によってすぐさま上下関係を逆転させ、小マゼラン星雲（ＫＭＷ）に移住して、ここからけだものを支配した。やがて、他種族が時間改変で自分たちを滅ぼそうとしている、という根拠の無い思い込みに陥り、大小マゼラン星雲および銀河系内で時間移動を監視する組織「時間警察」を作り上げた。また、そのための兵士として人工生命体「二次制約者（震動守護者）」を生み出した。 以後、勢力範囲内で時間実験を行った種族にはことごとく攻撃をしかけて殲滅しており、ウレブ（時間警察）の攻撃をうけて没落した種族は数知れない。人類の祖先レムール人や大マゼラン星雲のグラド（ライオン型生命体）も彼らの犠牲者である。 ２４３５年にはテラナーが時間実験を行ったと誤解して殲滅しようとした。２４３７年には（恐れていた通り）Ｍ−８７銀河からやってきた”中枢部の設計者”率いる艦隊により、エネミー星系ごと絶滅させられた。 ★蛇足 ちなみに、「ウレブ」とは、ドイツ語の「Uleb (Unbekannte Lebewesen)」の事だそうです。辞書によれば、概ね「未知の・生物」という意味らしいです。しかしながら、ハヤカワ文庫版では、何の説明も無いまま唐突に「ウレブ、ウレブ」と呼び出したので、「一体どこから出てきた言葉なのか？」と悩んだ読者も多かったのではないでしょうか？ ●初出＝１９７巻・３９４話「けだもの目覚める」・２４３７年。 |