とらいあんぐるハート２　さざなみ女子寮（ネタばれ）
ブランド	ジャニス／アイボリー	原画	？（キャラデザ：都築　真紀）
ジャンル	ノベル系アドベンチャー	シナリオ	都築　真紀
	恋愛物	プレイ時間	合計：２９時間
発売日	１９９９／０７／３０（金）		初回：約８時間
価格	￥８，８００		２回目以降：約３時間
ＯＳ	Windows95/98	難易度	１（５段階：５が最高）
メディア	ＣＤ×２（容量８５０ＭＢ）	評価 （10点満点）	８点（秀作／本当に楽しめる）
音声	有り

■執筆日：初版２０００／０１／０９　改訂２００４／０５／２９

■説明

こちらでは各ヒロイン毎の感想を攻略順に書いてあります。

■十六夜

寮の住人「神崎　薫」の持つ霊剣。実体化した姿は清楚な美人。 　彼女のシナリオの様な「人に非ざるものとの恋」というテーマはなかなか好きなので、真っ先にプレイしました。耕介と十六夜が心を通わせてゆく展開は、物悲しさがすごく感じられ、期待どうりの出来栄えでした。 　最初にプレイしたシナリオがこの出来だったので、「都築氏はこんなに上手くなったのか？」と驚愕したことも忘れられません。

■椎名　ゆうひ

寮の住人。音大一年生。コテコテの関西人。 　ゆうひルートの展開は一番お気に入りのストーリーです。ゆうひの性格が愉快、コンサートや海で仲を深めて行く流れは自然、結ばれて以降人には隠しつつも、ついついいちゃついてしまう展開にニンマリ、終盤にドラマ、など、このゲームで一番王道恋愛系なシナリオで、それだけに印象も深いです。 　また、他のヒロインのシナリオでも、サブキャラとして目指すヒロインの為に気を回してくれたり、気功を使ってくれたり（？）と、大活躍で、まさにこのゲームのＭＶＰと言っていいでしょう。

■リスティ・Ｃ・クロフォード

途中から登場するキャラで超能力者。 　「仁村　知佳」（寮の住人。後述）と対をなすキャラクター。展開としては（あの様な設定持ちのキャラとしては）王道ですが、クローン云々の話は手短に切り上げて恋愛物としての本題を忘れず、「１」での異色設定キャラのシナリオで不満だった点（恋愛物だかサスペンスだか解らない）を解消してくれていたのがありがたかったです。

■千堂　瞳

途中から登場するキャラ。前作「とらいあんぐるハート」のメインヒロインの一人。 　前作のヒロインの一人の再登場はそれなりに懐かしくは有りましたが、彼女が主役を張るシナリオは「出てきただけ」という感じなのが残念なところです。どちらかというと、後述する「ななか」シナリオでの登場の方が生き生きしていた感じでしたね。

■仁村　真雪

寮の住人。大学五年生で売れっ子少女漫画家。 　彼女のルートは二番目に好きなシナリオです。極めて早い時点で告白し結ばれますが、その後の数年に渡る物語が、事実上「恋人達の日常生活を描く」に終始している事に驚かされました。「知佳」（真雪の妹）絡みで多少ドラマは有りますが、耕介・真雪の間は事実上最初から最後まで変化が無いのですから。 　このシナリオで感じたのは、「穏やか系レディコミのノリだ」という事でしょうか。こういう「大人同士のドラマ」は、レディコミにはまま見られるストーリーです。互いに仕事をきちんと持った大人で、好きあっており、関係もあり、特に派手なドラマは無く、日常を描いて行く、というタイプ。 　最後の最後まで結婚云々を持ち出さず、二人の関係に変化が無かったのは、真雪のキャラクターから考えて実に納得できました。こんなシナリオがゲームでプレイできる事が来るとは、全く長生きはするものです。しかし、このシナリオ、レディコミを読んだりしない普通のゲーマーにどう受け入れられたのか、実に興味が有りますね。

■岡本　みなみ

寮の住人。高校生。元気バスケ少女。 　プレイ前はキャラに特に思い入れは無かったのですが、シナリオを進めている内に、耕介と思いが一体化して「ちっちゃくて可愛いキャラ」と思えてきたのはシナリオの上手さという事でしょうか。 　ただ、結末がやや唐突に感じられたのは残念なところ。せっかく三年に進級するまで描いたのに、そこでいきなり「終り」なので「あれ？」と思ってしまいました。

■槙原　愛

寮の住人。さざなみ寮のオーナー＆医大二年生。 　好きになる理由が「従姉妹で子供の頃は親しかった」なのですが、過去の描き方が深くないので、恋人になるのが唐突に感じました。終盤のミニ絡みのイベントも特に感じる物は無かったので、結局最初から最後まで思い入れの出来ないキャラでしたね。 　私の心の中では、このキャラはメインヒロインより「ちょっと抜けてるサブキャラ」というポジションが適任に思われましたね。

■仁村　知佳

寮の住人。高校生。超能力者。 　妹同然だったキャラに、いつしかそれ以上の思いを抱くようになる、という、恋愛物の王道パターンを踏んでいるのがたまりません。超能力持ちという異色キャラですが、それを「海での人名救助」「偶然心を読まれてしまう」など、恋愛に自然に結び付けているのが上手さを感じました。 　ただ、終盤のリスティとの戦いの展開は、「キャラ設定上仕方無いのかな」と思いつつも、リスティシナリオとだぶる感じがして、複雑な気分でした。個人的には最後までラブラブシナリオで押し通しても良かったかも、と思います。

■神咲　薫

寮の住人。高校生。剣術「神崎一灯流」有段者。退魔師。 　キャラ自体は特に好きでも嫌いでも無し。厳しい仕事に苦しむ彼女をいとおしく思うようになる、という流れはまあまあなのですが、ストーリーの展開が十六夜の話と殆ど重複しており、既に十六夜シナリオをプレイしていた事から、評価はもう一つというところです。

■陣内　美緒

寮の住人。お子様。 　後半の雰囲気の変化に実に驚かされたシナリオ。秋口までは殆ど見るべきイベントが無く退屈だったのですが、それだけに美緒の変身以降の展開は「おおっ、そう来たか？！」と意表を付かれました。終盤、美緒がベランダで言う台詞「誰にも恥ずかしくない大人になる」云々の辺りは、「うわ、やられた」と思いましたね。何一つ期待していなかった分、かなり楽しめました。

■藤田　望

途中から登場する隠しキャラ。 　まさかこの娘までエンドが？と驚かせて貰えるキャラ。特に思うところは無いのですが、結婚した後のＣＧが子供時代のそれと同じというのはギャグでしょうか？

■井上　ななか

途中から登場するキャラ。前作「とらいあんぐるハート」のサブキャラの一人。 　隠しキャラの割には、「瞳」と比較してシナリオのボリュームが遥かに上だったのでびっくりでした。個人的には特に思い入れは有りませんが、前作で攻略できない事に悔しがった人も居たそうなので、その筋の人には嬉しい再登板だったかもしれませんね。 　あと、瞳シナリオ以上に前作の裏側を描く展開となっているのが、前作プレイ済みの私には面白かったです。でも前作でななかのボーイフレンドだったキャラにとってはたまんないですね、こりゃ。

■最後に

キャラの設定がかなり異色なわりに、シナリオは上手くまとめているのに感心しました（特に美緒）。とは言え、私としては「ゆうひ」「真雪」の大人の二人のシナリオが大変印象深かったです。

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